思い出したくない過去の記憶
トラウマ
絶対にこの記憶だけは
もう開けないと誓った
そう、パンドラの箱!
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2921-800x450.jpg)
開けるつもりはないのに
ときどき隙間から闇が漏れ出す
孤独や復讐心
さみしさが溢れてきて
闇に吸い込まれそうになる
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2922-800x450.jpg)
慌てて、その箱を
記憶の深くに埋めようとする
大切にしていたぬいぐるみを捨てて
思い出の写真立てを捨てて
日記を捨てた
それでも
ときどき箱が開きそうになるので
もっと深くに埋めようとする
当時の写真を捨てて
夢を描いた文集を捨てて
描いた絵を捨てて
集めていたポストカードを捨てた
自分で捨てれるものはすべて捨てた
たぶん自分も捨てた
そうやってたくさん捨てても
パンドラの箱の存在は
なくならなくて
いつもぴょん吉の恐怖だった
⭐︎
ぴょん吉の婚活は何人会っても
終わらなかった
さすがに薄々は気づいていた
自分のパートナーシップが
こうもうまくいかないのは
あの箱の中身が原因ではないかと
しかし、見て見ぬふりをして
数年走り続けた結果
状況は変わらず
このままでは出産できない
年齢に達する恐怖が
日に日に増していった
それほどまでに
ぴょん吉は血縁という
切れない(と思い込んでいる)
つながりを渇望していたようだ
そうしてあるとき
自分の家族をつくれない恐怖が
パンドラの箱を開ける恐怖を
上回った
35才のときだった
そこで
おそるおそるぴょん吉は
パンドラの箱を開けたのだった
⭐︎
トラウマを扱うかどうかは
自分の意思で決めるべきだと
ぴょん吉は思っている
あんな怖い箱は
カウンセラーに言われたから
という理由で開けるのではなく
開けたい人が
自分のために開けるだ
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2923-1-800x450.jpg)
約2年間
パンドラの箱の中身を
自らかき回したぴょん吉は
ときどき闇に引っ張られたり
(今も)
ときどき自分が掘った
落とし穴に落ちたり
(今も)
神出鬼没の感情に
振り回されたりしながらも
思いもよらない感動を味わっている
真っ黒に塗りつぶした自分の
過去にも宝物はあったのだ
記憶というやつは
嫌な部分だけ
封印することはできない
あの時期、とか
小学生の頃、とか
あの人と付き合っていた頃、とか
忘れたい記憶というのは
その周辺の出来事も引き連れて
封印してしまうのだろう
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2924-800x340.png)
近づかないようにしていたときは
真っ暗だと思っていたのだけど
箱を開けて暗闇に
近づいて見てみると
どうやら真っ暗ではなかったらしい
記憶を辿って必死で探してみると
ところどころ光っていたのだ
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2916-800x250.png)
それもそのはず
ぴょん吉は今、生きている
暗闇が多かっただけで
そこには幸せな思い出もあったのだ
⭐︎
パンドラの箱を開けたら
忘れていた
あの頃の自分を幸せにしてくれた
たくさんのモノや人達が出てきた
ぴょん吉はちょっと
やみつきになって
捨てた宝物を探しに
トラウマの箱の中を
せっせと採掘している
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2920-800x450.jpg)
採掘した宝物は
ピカピカに磨き上げて
暗闇を出来るだけ明るい星空に
変えてやろうと思う
ぴょん吉である🐰
![](https://pyonkichi-go.com/wp-content/uploads/2024/04/IMG_2926-800x250.png)
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