地球に生まれた私たちは
この星で暮らすために必要な
ほとんどのことを親から学ぶ
朝起きたら挨拶をする
ここは日本だから「おはよう」🐰
食事は基本的に
朝、昼、夜の3回で
食後には歯を磨くのが望ましい
(ぴょん吉は最近、1日2食)
夜はパジャマに着替えて
枕と布団なるもので寝る
そんな当たり前の
生活の基本もすべて
親から教わる
⭐︎
“親に育ててもらった”
というと
生活面や教養、金銭的なことを
連想しがちだが
私たちは
愛されるという感覚も
無意識に親から学んでいる
家族の中で男性が父うさぎだけだった
ぴょん吉は
“男性とはこういうもの”という
イメージの大部分を父うさぎから
初期インストールしたようだ
父親から愛されて育った女性は
自分は男性から愛される存在だ
と初期設定されているから
恋愛が上手く行きやすいんだって
でも、残念ながら
ぴょん吉はお父さんに愛されて
育った記憶がなかった
⭐︎
正直、ぴょん吉は父うさぎことが
あんまり好きじゃなかった
いつまでも反抗期みたいな
コミュニケーション少なめの
父と娘だったと思う
共働きなのに
お父さんは家事をしないし
仕事の愚痴ばかり言っている!
もう!お酒飲み過ぎ!
酔った父うさぎを
母うさぎが毎度、車で迎えに行く
父うさぎの土日は
自分の趣味で忙しい
なんて自己中なやつだ!
と思っていたのである
お父さんみたいな人とは
結婚したくない!
ぴょん吉はずっとそう思いながら
大人になった🐰
そんな中
ぴょん吉29才のとき
父58歳の膵臓癌が発覚した
わかった時にはもう余命4〜5ヶ月で
家族みんな泣き崩れた
⭐︎
この日から、ぴょん吉の脳内で
父うさぎの愛の
再インストールが始まった
父うさぎの病室には
引っ切りなしにお見舞いの人が
訪れて驚いた
言い方は悪いが
外面よく頑張っていたんだな
その分、家では
甘えてたのだなと思った
父はつらい状況なのに
自分がいなくなった後のことを
たくさん考えてくれた
父うさぎが息を引き取った日は
3月の雨の夜だった
明け方、親族に一通り連絡した後
母うさぎは
どこやらに電話をかけ始めた
「先ほど主人が旅立ちました。紹介してくださって、ありがとうございました。幸せな結婚生活でした。」
父うさぎを紹介してくれた人への
報告だったらしい
聞いていて涙が止まらなかった
お父さん、ごめん
お見合い結婚だって聞いていたから
恋愛結婚と違って
あんまり愛し合ってないと
勝手に思っていた
そんな幸せな家庭で
育てて貰ったなんて
今まで思っていなかった
⭐︎
父うさぎの愛情の再インストールは
しばらく停止していた
いなくなったことが悲しくて
思い出さないようにしていたから
インストール再開まで
5年かかってしまった
ぴょん吉の父うさぎは一人っ子
4才で父親を事故で亡くしていて
シングルマザーの家庭で育った人
父親の記憶はないらしい
母親はお金を稼ぎに働きに出て
家にいる時間は少なかった
(ぴょん吉のおばあちゃん🐰)
▷ぴょん吉のおばあちゃんうさぎの人生
よくよく考えると
家に親がいる時間が少ない中で
育った父うさぎ
父うさぎは自分が親から貰ったよりも
遥かに沢山の、色んな愛情を
ぴょん吉にくれていたんじゃないか?
そういう視点で
父うさぎとの思い出を振り返ると
ぴょん吉の記憶が一変した
どうやら、ありったけの愛情を注いで
育ててもらったようだ
⭐︎
ちょっと時間がかかちゃったけど
再インストール完了
ぴょん吉は
男性から愛される存在である🐰
ありがとう
大好きなお父さん
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